仕事の成功率を上げる仮説思考

 ニコラス・ケイジ主演の2008年に公開された「NEXT」という映画があります。

主人公のクリスはラスベガスで売れないマジシャンをしていますが、実はクリスには

2分先の未来が見える能力があり、それがバレない程度でポーカーゲームなどで小銭を

稼いぎ生計を立てている設定です。

 話はクリスが2分先の未来を何度も体験しながらテロリストを追いかける展開へと

発展するのですが、映画の紹介はここまで。

 

 ところで、2分先の未来が見えたり、体験できたらどうですか?

私が最初に思ったのは、ゴルフのドライバーショットやパターがことごとく成功し

タイガーウッズにも勝てる?と思ったりもしましたが・・・

 

 それでは仕事の場面でこの能力が使えるとしたら何に使いますか?

電話のかけ違い防止や絶妙な上司への報告のタイミングを見極めるなどでしょうか?

たかが「2分」ですが、されど納得の「2分」ともいえるでしょう。

 

 実際の行動としての「2分」ではなく思考する「2分」なら現実味が湧いてきます。

仕事をする上で、ミッションに対して最短コースを辿ろうとつい躍起になり、「こうす

ればこうなる。だからこうする」と短絡的にかつ平和的に考え猪突猛進することが往々

にしてないでしょうか?

しかし、世の中そんなに都合よくいきません。想定外のハードルや突発的な横やりも入

ってきます。そのため、仕事の成功率を上げるためにできる限りの仮説を立て、あらか

じめ答えや対策を用意することが重要となってきます。

 

 重要なミッションであれば、ミスは許されませんし一人では遂行できませんし、それ

なりの時間的な余裕もあり十分検討はしていきますが、日々忙しい中、属人的で軽い仕

事をこなしていく場面ではこの「たかが2分」を惜しんではいませんか?

 悲観論を言っているわけではありませんが、「期限内に完了しなかったら」「先方と

連絡が取れなかったら」など、とりあえず”最悪の事態”を「2分」で考え予防線を張っ

ておけば仕事の失敗率はグッと低くなります。逆にこの「2分」を何度も繰り返してい

けばいろんな場面設定を想定できて仕事の成功率も上がっていきます。

 

 さらに言えば「この仕事の目的は何?」「この仕事はコストに見合っている?」「そ

もそもこの仕事をする必要がある?」など客観的に自身の周辺状況が見渡せるようにも

なって、仕事の「効率」や「質」が上がってきます。

 

 この「2分」考える習慣が身につくと「2分」が「5分」「10分」と熟考できるよ

うにもなり物事の”本質”まで見抜けるようになると思います。

 今は必要な情報は溢れるほどにありますが、実際に仕事として行動できるのは1度な

いし2度しかありません。その仕事そのものの成功率を上げるのも大事ですが、ビジネ

スマンとしての成功率をあげるためにも「2分」から始める『仮説思考』を日頃から意

識され実践することをおススメします。

 『仮説思考』を鍛えるポイントとしては、”広く浅く”と”常識と非常識”をキーワード

に楽しくゲーム感覚でやること。結果として論理的な思考力も身についてきます。

 

 ビジネスでは往々にして「成功」よりも「失敗」が問われます。

「失敗」の反対が必ずしも「成功」ではありませんが、「失敗」しない、少ない人には

成功者に劣らずチャンスは巡ってきます。次のチャンスのためにも『仮説思考』を使い

こなせるビジネスマンを目指しましょう。