PDCA-その①

 ビジネスシーンでよく耳にするPDCA

もともとは工業系の品質管理のための改善手法でしたが、今では非工業系業務管理にもその手法は広く知れ渡っています。

 

PDCA

 ・Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する。

 ・Do(実行):計画に沿って業務を行う。

 ・Check(評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを評価する。

 ・Act(改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて改善をする。この4段階を順次行って1周したら、最後のActを次のPDCAサイクルにつなげ螺旋描くように1周ごとに各段階のレベルを向上(スパイラルアップ、spiral up)させて、継続的に業務を改善する。

                                Wikipediaから引用

よく”「PDCA」を回せ”とか”PDCA」が回らない”とか言われます。

「計画し、実行し、結果を出し、足りないところや間違いを改善する」ってことですが、非工業系では「A Act(改善)」が疎かになり”「PDCA」が回らない”ことが多いように思えます。                                   その理由はいくつかあげられますが、ある程度計画通りに行けば十分なので「A」まで考える必要性や時間的余裕がない、そもそも「P」通りにやっていないなどPDCAの体をなしていないのです。背景としては非工業系の業種では”二度と同じ場面は巡ってこない”と潜在的に否定的な意識があることです。

工業系業種でいえば相手は数字であったり鉄の機械であったりするため、当初のPDCAを回した環境を忠実に再現できます。そのためPDCA」を回す精度が求められます。一方、非工業系業種では当初のPDCAを行ったタイミング、関係者、量の大小など様々な”変数”の集合体を再現するのは不可能に近いことから”PDCA」が回らない”、または回せないことが考えられます。この場合は「経験値」として残ります。

 

 工業系業種でのPDCAはいわゆる”テスト”です。本番と同じ条件で結果が出るかを確認するテストです。マイクの音声が正常に出るかどうかを試す時に”テスト、テスト、本日は晴天なり”とやってますよね。

 では非工業系業種では役に立たないのかというとそうでもないと思います。「経験値」を積むための”試行”として捉えてみるとPDCA]も意味を帯びてきます。頭の中でのPDCAでは得られない不都合な手順やルール、所要時間、意外なツールなどのサンプルデータを得られることが「経験値」を確かなものにしてくれます。この「経験値」の積み重ねは汎用性のある判断を支えてくれるようになるのです。

 1つ注意点があります。上司が「私の経験から言えば・・・」と断定してしまわないことです。あくまでも”試行”の結果によって得られた「経験値」であり、目の前のことも”試行”であることを忘れないでいただきたい。

PDCA]は今やクラシックな理論として紹介されている。PDCA理論は近代工業化が進んだ時代に適した理論であって、現代の情報化の時代では「OODAループ理論」が一般化しつつあります。

「OODAループ理論」とは

Observe(観察

Orient(情勢への適応

Decide(意思決定

Act(行動

 の頭文字を綴ったものであるが、激変する情報化社会を反映してかどれも”変数”である。時間的な一方方向性はなく常に”同時進行”とも伺える。

 

では、クラシカル(伝統的)なPDCAがいまだにビジネス新書に登場するのはなぜでしょうか?                                    思うに簡単で分かりやすい、原因と結果が見えやすいからかもしれないが、要は人間の思考は時代についていけないことが本質かもしれない。時代を振り返ればPDCAがビジネス界でもてはやされるようになって、「自分たちは喜怒哀楽の感情をもった人間である。機械と一緒にするな」と感じたものですが、慣れていくものです。  「OODAループ理論」を構成する要素は、今の私たちの生活の中で既に大なり小なり取り入れています。いずれは主流になっていくでしょう。

 

占星術では約250年続いた「土の時代」から昨年末「風の時代」に入ったと言われます。地に足をつけ根を下ろしていた時代が変わると予見しているようです。